現実の「ワクワク」をオンラインで再定義 DMMオンクレが挑んだ『検索体験改善』プロジェクト

チャオ!DMMオンクレのプロダクトマネージャー(PdM)青井裕紀です。
本日は、昨年の大規模アップデートで実施した『検索体験改善』プロジェクトについてのお話をしようと思います。
※この記事は画像の一部に生成AIが利用されています。
- 第1章:いち消費者として感じた「見つからない」もどかしさ
- 第2章:リアルの「ザッピング体験」を手のひらに
- 第3章:「映り込み」をめぐる現場との対話
- 第4章:DMMオンクレが描く「持続可能」な幸せの形
- 執筆に当たって / スペシャルサンクス
まず、DMMオンクレはミッションとして『誰もが夢中になれるエンタメスペースを創造する』というものを掲げてきました。オンラインクレーンゲームの中で比較的新しいサービスとして、クレーンゲームを単なる「景品獲得の手段」ではなく、ゲームセンターの扉を開けた瞬間に感じる、あの独特のワクワク感や、お目当ての台を探して通路を歩く時の高揚感。その「体験」そのものをオンラインでどう再現するかを一つの目標として設定してきました。
当初のコンセプトでは、私も大好きな『驚安の殿堂』を代表とする『圧縮陳列』に見られるような、圧倒的な商品密度が生む賑やかさと、視覚的な情報量でユーザーを飽きさせないUIをイメージしていました。

そんなコンセプトのサービスが成長の裏側で直面した大きな壁と、それを突破するために行った「検索体験の再構築」について、さわりだけになりますがお聞きくださいませ。
第1章:いち消費者として感じた「見つからない」もどかしさ
私はPdMである前に、いちオンクレファンでもあります。欲しいプライズが見つかれば、まずDMMオンクレの「前落とし」で獲得に挑みます。それは、一人のユーザーとして「このサービスがもっとも適正に、かつ納得感を持って獲得できる」と確信しているからです。
しかし、景品数が増え、サービスが拡大するにつれて、ある異変を感じ始めました。使い慣れた私自身がアプリを操作していても、展開ステーション数が増えすぎてお目当ての景品にたどり着くまでにかかる時間が増え、どこに何があるのかが直感的に分からなくなってきたのです。

データもそれを裏付けていました。プレイ後にいただいている評価や、アンケートなどお客様の声からも、「目当ての景品が見つけづらい」「好きな遊び方の台を探すのが苦労する」といった声が聞こえるようになりました。今までのコンセプトでは、景品が増えることは本来「喜び」であるはずなのに、それが「ノイズ」になってしまっている。このままでは、ユーザーの幸せを増やすどころか、ストレスを蓄積させてしまう。この強い危機感が、本プロジェクトの起点となりました。
第2章:リアルの「ザッピング体験」を手のひらに
今回の景品との出会いをテーマとしたUX改修で私がもっともこだわったのは、モノ消費ユーザーが景品と出会いやすくすることと、コト消費ユーザーが楽しい台と出会いやすくすることを両立させることです。そこで必要になったのが「台を選ぶ楽しさ」の再定義です。
従来のオンクレは、台の中身(疑似箱の配置や盤面の状況)を確認するために、一度playページと呼ばれる一段深い階層へ遷移しなければなりませんでした。これでは、リアルのゲームセンターで通路をぶらぶら歩きながら、「お、この台はあと少しで取れそうだな」「この配置なら得意の技が使える」と判断する、あの直感的な楽しさが得られないというのが悩みでした。

そこで私たちは、システムが保持している「ステーションの最新状況のスナップショット(St最新画像表示)」を検索結果の一覧に直接表示させる仕組みを軸に「景品一覧ページ」を再構成し、検索体験を改善させようと計画しました。
ユーザーは画面をスクロールするだけで、まるで店舗の通路を歩くように、自分の欲しい景品が配置された各台のコンディションをリアルタイムに「ザッピング」できるようになるのです。

この改善により、自分の好みに合った「今、まさに取り頃の台」を直感で見つけ出せるようになりました。単なる検索効率の向上ではなく、プレイ前の「どの台で遊ぼうか…」と悩むプロセスそのものを、エンターテインメントへと昇華させられるようになりました。

※こちらに関わる機能は2025年に特許出願(審査中)いたしました。
第3章:「映り込み」をめぐる現場との対話
しかし、この「St最新画像表示」を安定稼働させるためには、技術的・組織的な高いハードルがありました。 私たちが活用したのは、本来、お客様サポートのために撮影されていたスナップショットです。既存の開発資産を転用することで、開発コストを抑え、最短で価値を届けられると思ったのです。
しかし、ここで一つの大きな課題に直面しました。これまでの撮影タイミングでは、スタッフサポートが入ると最新の状態を維持できなくなってしまいます。また、スタッフのサポート後に素早く営業再開ボタンを押すと、スタッフが作業している姿が映り込んでしまう事象がしばしばあったのです。

現場で働くスタッフが「いつ映り込むかわからない」という不安を抱えることは望ましくありません。スタッフの動きを何度もトレースし、スナップショット更新のタイミングをミリ秒単位で細かく調整。開発チームと現場スタッフが納得いくまでシミュレーションを重ねた結果、現在ではスタッフの映り込みをほぼゼロに抑えつつ、鮮度の高い画像をユーザーに提供し続けるシステムを構築できました。
第4章:DMMオンクレが描く「持続可能」な幸せの形
今回のプロジェクトで私たちが目指したのは、単なるUI改修ではありません。
「欲しい景品」があるユーザーには、迷わず目的地へ辿り着ける「分かりやすさ」を。そして、攻略のプロセスを愛するユーザーには、探す楽しみを最大化する「情報の深さ」を…。
この相反するニーズを、検索ロジックの動的な出し分け、景品詳細ページの追加という手法で、一つのプロダクトの中に共存させました。また、想定していたSEOへの効果も非常に高く出ています。
さらにこのプロジェクトは、在庫管理などを含めたもっと大きなアップデートの一部としての「種まき」も含まれております。
お客様がオンクレに求めている本質的な価値を、私たちが『持続可能な方法』で提供し続ける。そのために、私たちは技術とロジック、そして何よりお客様と深夜まで忙しく働いているスタッフへの想いを込めて、一歩ずつプロダクトを磨き上げます。
DMMオンクレの進化は、まだ始まったばかりです。次の一手も、ぜひ楽しみにお待ちください。
執筆に当たって / スペシャルサンクス
- 素敵なUIに仕上げていただいた。二口 紗由理さん
- プロジェクトを無事リリースまでディレクションいただいた。斉藤 優さん 尾嶌 亮さん
- エンジニアチーム、店舗運営推進チーム、その他DMMオンクレに関わる全ての皆さん
出典: DMM Developers Blog 著者: Yuki AOI


